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​2019年に開催されたデザインフェスタVol.50での展示物とキャプションを公開しています。

​一葉三様

デジタル写真の楽しさは、撮ってすぐに確認できるその速さと手軽さにあると思います。

“今”を捉えて次の瞬間にはインターネットを通じて多くの人と共有することができ、

データであれば保存にも場所や手間はかからず大変便利です。

 

しかしながら写真は、手間をかけて楽しむこともできます。

撮った写真を選び、プリントして、飾り方や保存の方法を考えたり、

それを周囲の人に見てもらうのも面白いものです。

 

ここに展示する『一葉三様』は、一枚のフィルム写真を三通りの方法で鑑賞できるようにしました。

撮ってから画像を確認できるようにするまで、またその画像を鑑賞できるようにするまで、

デジタル写真に比べれば不便とも言えるほどの時間がかかっています。

ですがその時間も手間も、撮る時と同じようにとても楽しいものなのです。

使用カメラ:Rolleiflex 3.5

使用フィルム:Potsdam Kino Film(Lomography)

​一葉三様

そのいち

一枚の写真を3つの技法で展示するひとつめ。

銀塩プリント(バライタ紙)

撮影済みのフィルムに写った像を、レンズを通して拡大させ印画紙に投射します。

最も有名だと思われるこのプリント方法は、濃淡やトリミングなどプリント時に様々な調整もできます。

 

この写真は葉や花びらの質感や葉脈を意識して調整しました。

調整とプリントを何度か繰り返して気に入ったもの1枚を選んで展示しています。

この取捨選択も写真の楽しさのひとつだと感じます。

​一葉三様

そのに

一枚の写真を3つの技法で展示するふたつめ。

Lo-fi photography

鮮明なはずの写真をわざと画質を落としたようなものにしています。

 

この作品は紙にデジタルプリントした写真をキャンバスに転写して作成しています。(私が作品制作で主に用いる技法です)

紙を手作業で剥がす過程で残る紙の繊維を、花を囲むように円形に残しました。

ノイズが入ることで写真としてはっきりしなくなるところが、記憶の中の映像のように思えます。

​一葉三様

そのさん

一枚の写真を3つの技法で展示するみっつめ。

サイアノタイプ・プリント(日光写真/青写真)

感光液を染み込ませた紙(展示品の場合は布)の上に直接ネガフィルムを置いて、日光(UV)を照射してプリントします。

 

ネガフィルムの大きさが作品の大きさになるので、今回は写真のデジタル画像をネガ反転し、フィルムにデジタルプリントしてネガフィルムを作製しました。

“そのに”の作品同様に、デジタルとアナログの間を行き来するような作成方法です。

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